キャロットクラブ2020年募集に向けて④(ルーラーシップ産駒・牡馬編)
こんにちは、がーひーです。
先日、キャロットクラブより2020年度募集の確定リストが発表されました。
値段、関東・関西・地方の振り分けが発表されましたが、皆様はどのように感じられたでしょうか?
さて今回は、キャロットクラブで2014年~2017年に募集されたルーラーシップ産駒の牡馬について、ここ半年で考察した内容を記載させて頂きます。
ルーラーシップ産駒の牡馬を考察する理由や基準は下記のブログにて、詳しく記載していますので、ぜひご覧ください。
「 キャロットクラブ2020年募集に向けて①(トレンド種牡馬のご紹介)」
【目次】
①ルーラーシップ産駒(牡馬)の特徴
②回収率150%、かつ「(募集額+3,000万円)<賞金額」を満たす馬のご紹介
③回収率150%、かつ「(募集額+3,000万円)<賞金額」を満たすための条件
④まとめ
⑤今年の募集馬予定馬について
①ルーラーシップ産駒(牡馬)の特徴
・募集馬7頭中、回収率150%以上は2頭。上振れと下振れが激しい
・回収率150%以上の2頭は、母父サンデーサイレンスとディープインパクト
・7頭中、3勝クラスが1頭、1勝クラスが2頭、オープンが1頭
・馬体は緩くてもOKだが、繋ぎが緩い馬は回収率150%を達成できない
・可動域や歩様が柔らかくなくてもOK(メールドグラースも募集時は歩様時に馬体を 支えられていないように感じるほどでした)
②回収率150%、かつ「(募集額+3,000万円)<賞金額」を満たす馬のご紹介
1頭目:メールドグラース(G1勝ち)
●基礎情報
誕生日:2015/5/26
母父:サンデーサイレンス
募集価格:2,800万円
獲得賞金:4億4,534万円(回収率1590%)
戦績:19戦8勝(うちG1を1勝)
所属:清水久嗣厩舎(西)
生産牧場:ノーザンファーム
母出産時年齢:13歳(4番子)
●馬体分析
バランス:12点/12
肩:7点/7
トモ:5点/9
緩さ:4点/5
可動域:2点/9
歩様:4点/8
備考:2点(肩の大きさ・筋肉の質+1、馬体バランス+1)
合計:36点/50
●基礎情報
誕生日:2016/2/21
母父:サンデーサイレンス
募集価格:2,400万円
獲得賞金:6,436万円(回収率268%)
戦績:12戦3勝
所属:池上昌和厩舎(東)
生産牧場:ノーザンファーム
母出産時年齢:8歳(3番子)
●馬体分析
バランス:7点/12
肩:6点/7
トモ:3点/9
緩さ:4点/5
可動域:4点/9
歩様:4点/8
備考:0点
合計:28点/50
③回収率150%、かつ「(募集額+3,000万円)<賞金額」を満たすための条件
今回はメールドグラース、ヴィッテルスバッハの共通点を探します。
~条件について~
「厳」・・・馬体の中でも特に厳しく確認するべき箇所。活躍するための必須条件
「普通」・・・普通の出来で良い箇所
「易」・・・厳しく確認しなくて良い箇所。評価が良ければその馬の個性になりうる
●馬体バランス(条件:厳)
・馬体のバランス(全体)が良い
・背中がなだらかで綺麗
・飛節が「少し大きい」以上である
・肩と繋ぎの角度が一致している
●肩(条件:厳)
・ボリュームが「少し大きい」以上である
・首すじにさしが入っている
・筋肉が「薄く張り出している」以上である
・肘付きが右上に流れている
・肘離れのラインが「明確」である
●トモ(条件:普通)
・ボリュームが「大きい」である
・筋肉の内からの張り出しが「薄く張り出している」以上である
・Lライン(がーひー命名)が「多少くっきりしている」以上である
●緩さ(条件:厳)
・肩が「緩くない」である
・トモが「少し緩い」以上である
・繋ぎが「緩くない」である
●可動域(条件:易)
・前肢が「肩から出ていない」以上である
・後肢が「後ろに伸びている」以上である
・後肢が「前に伸びている」以上である
●歩様の様子(条件:普通)
・前進気勢が「有」である
・歩く速度が「普通」以上である
・大腿筋膜張筋が「少し揺れている」以上である
・後ろからの動画で「真っ直ぐ歩けている」
・後ろからの動画で「半腱半膜様筋が見える」
④まとめ
ルーラーシップ産駒の牡馬は2015~2017年産駒7頭中、4頭が勝ち上がり。うち1頭がメールドグラースというホームラン級の種牡馬です。キングカメハメハ牡馬やディープブリランテ牝馬には劣りますが、Aランク種牡馬と判断させて頂いています。
以下、馬体について。
馬体のバランス、肩、緩さは特に厳しくチェックしたい箇所です。
立ち写真だけ見ると、2頭ともかなり良い馬だと思います。
他の種牡馬と違っていて面白い点は、トモを厳しくチェックしすぎると、この2頭にたどり着けない点。あと、歩様を重視する人もこの2頭にはたどり着けません。
募集時の歩様の印象があまり良くない印象だとしても、徐々に活躍する馬が多くいる印象です。多分、活躍する馬が分かりづらいんでしょうね。ただし、いくら歩様を見ないと言っても、特に後ろからの姿は注視すべきかと思います。真っすぐに歩けているか、半腱半膜様筋の浮き沈みが見えるかどうかは要チェックでしょうね。また、活躍馬とそうでない馬を見分け方としては、他の種牡馬と同様ではあるのですが、「繋ぎの緩さ」があった点も追記させて頂きます。今回紹介させて頂いた2頭はともに「繋ぎが緩くない」でした。
ルーラーシップ産駒の特に牡馬は晩成傾向が強いことからも歩様の減点を見るのではなく、各パーツの質、総合的なバランスを重視すべき種牡馬かなと思います。そういう意味では、馬体の見方さえ覚えてしまえば狙い目の種牡馬かなとも思えます。
以下、血統について。
活躍する血統の条件もある程度は特定されてきており、母父がサンデーサイレンス、クロフネ、スペシャルウィーク、ディープインパクトであること。Nureyevのクロス(サドラーはダメ)でパワーを増強させる方法、Seattle SlewやSecretariat等の「Nasrullah+Princequillo」を重ねて父の特徴であるストライドの大きさを継承する確率を上げる方法、ノーザンダンサーのクロスを発生させないこと等が有効と言われています。
お値段も決して高くはない価格帯ですし、成功するための血統の方程式も固まりつつある種牡馬の1頭ですので、血統的な観点からも積極的に狙っていきたい種牡馬の1頭です。
⑤今年の募集馬予定馬について
今年は2頭の該当馬がいます。
ヴェルジョワーズの19
シャルールの19
個人的にはシャルール19に注目しています。
Nureyevのクロスこそありませんが、母シャルールの血統を深くまで見ていくと母方に「Nasrullah+Princequillo」を持っていますし、ノーザンダンサーのクロスもありません。母父がサンデーサイレンス系のゼンノロブロで、ルーラーシップ×母父ゼンノロブロイはAEIも1.35と決して悪くはありません。
母7歳時の初子ということで馬格が気になるところではありますが、年齢は7歳でドンピシャです。個人的に気になる1頭です。
母優先対象になりますので、最優先でないと厳しそうですね。
次回はロードカナロア産駒の牡馬編です。
お楽しみに。
他の種牡馬も分析させて頂いていますので、ぜひご覧ください。
https://gaaffee.hatenablog.com/entry/2020/07/26/150228
「キャロットクラブ2020年募集に向けて②(キングカメハメハ産駒・牡馬編)」
https://gaaffee.hatenablog.com/entry/2020/08/02/133002
「キャロットクラブ2020年募集に向けて③(ディープブリランテ産駒・牝馬編)」
https://gaaffee.hatenablog.com/entry/2020/08/22/121109
「キャロットクラブ2020年募集に向けて⑤(ロードカナロア産駒・牡馬編)」
https://gaaffee.hatenablog.com/entry/2020/08/24/225918
「キャロットクラブ2020年募集に向けて⑥(エピファネイア産駒・牝馬編)」
写真はキャロットクラブのホームページ掲載の情報であり、転載許可を得ております。無断転載をしないようにお願いいたします。